負債相続への取り組み

負債相続の異常な現状と専門家の職務怠慢

173,166件。

これが何を意味する数字かお分かりでしょうか。
これは裁判所の司法統計による平成25年度に過程裁判所に持ち込まれた相続放棄に関する事案件数です。
あなたもご存知かもしれませんが、相続放棄は平成20年度以来顕著な増加傾向にあり、平成元年の43,626人と比較すると4倍近くまで増加しています。
平成26年の死亡者数は126万9,000人なので実に全体の約七分の一程度が何らかの形で相続放棄に関わっているということになり、その件数の多さがうかがえます。
親が死後に遺した借金や負債の相続トラブルに悩まされ、不安な日々を送っている人は年々増加していると言えます。
またこれからさらに高齢化が進んでいく中でますます専門家側の受け皿が必要になることは明白です。

原因は専門家の怠慢

私の見解では、このような現状に対し、負債相続の専門家が、量においても質においても完全に不足している状況です。 現に今でも相続放棄を相談したいのに誰からも適切なアドバイスを受けれず手続きを取れずにいた方や、他の先生にお願いした結果、手続きをミスして多大な借金を引き継いでしまい、さじを投げられた方などが私の事務所に駆け込んでこられるケースが後を絶ちません。

特に多いのは3ヶ月を超えた相続放棄事案です。

他の専門家に相談して「無理」と判断された事案でも私の事務所に来られて申請のやり方や家裁に提出する申立書を工夫することで受理されるというような事も珍しくありません。

弱者救済は士業の使命

私のような司法書士や、税理士、弁護士など相続の専門家は知識は確かにあるのですが、資産家向けの相続税などプラスの財産に関する相談が主で、負債に関することは置き去りになってしまいがちです。

嫌な言い方をすれば「プラスの財産にばかり群がっている状況」とも言えます。 ですが、この現状をきちんと理解すれば、今こそ専門家が負債相続に関してもしっかりとした知識やノウハウを取り入れ、切実に困っている人達にとってのセーフティネットになるべきではないでしょうか。

そういった弱者救済こそが本来の士業の使命なのではないでしょうか。このままでは弱者救済どころか逆に訴訟リスクを抱えるようなことになりかねない状況にあることに気付いていない先生があまりに多いのです。